赤ちゃんの救える命を救う「先天性代謝異常等検査」
先天性代謝異常等検査(新生児マススクリーニング検査)について
フェニルケトン尿症などの先天性代謝異常等の赤ちゃんは、生まれたときは健康に見えても、心身の発達に必要な酵素が生まれつき欠けていたり、ホルモン合成の異常が原因で、身体障害や発達の遅れが生じたり、時には命の危険にさらされる場合もあります。
しかし、これらの病気は、早期に発見し、適切な治療を続ければ、病気の発症や進行を防ぐこともできます。この検査を「先天性代謝異常等検査(新生児マススクリーニング検査)」といいます。
2023年7月1日より、従来の検査対象である20疾患に加えて、脊髄性筋萎縮症、重症複合免疫不全症の2疾患の検査を開始しました。検査費用は、従来の20疾患と同様に佐賀県で負担しますので「無料」です。
また、上記2疾患に加えて、ライソゾーム病についても検査費用を保護者の方が負担することで受検することができるようになりました。検査料についてはかかりつけの産科医療機関へお尋ねください。
なお、本追加検査は佐賀県内で出産された方が対象となりますので、佐賀県外で出産・検査される場合は上記の追加疾患検査は受検できません。
検査の概要
〇生後4日から6日目に、出産された医療機関で、赤ちゃんのかかとからごく少量の血液を採って検査します。
〇出産される医療機関から検査の説明があります。検査を希望される場合は、同意書に署名いただき、お申込みください。
【検査対象疾患】
※2023年7月1日現在、佐賀県で検査を受けることができる疾患は下記の20疾患+3疾患です。
アミノ酸代謝異常(5疾患) | フェニルケトン尿症、メープルシロップ尿症 ホモシスチン尿症、シトルリン血症1型 アルギニノコハク酸尿症 |
有機酸代謝異常(7疾患) | メチルマロン酸血症、プロピオン酸血症 イソ吉草酸血症、メチルクロトニルグリシン酸尿症 ヒドロキシメチルグルタル酸血症 複合カルボキシラーゼ欠損症、グルタル酸血症1型 |
脂肪酸代謝異常(5疾患) | MCAD欠損症、VLCAD欠損症 TFP/LCHAD欠損症、CPT1欠損症、CPT2欠損症 |
その他(3疾患) | ガラクトース血症、先天性甲状腺機能低下症 先天性副腎過形成症 |
追加3疾患 |
脊髄性筋萎縮症、重症複合免疫不全症、ライソゾーム病 |
〇検査費用は、佐賀県内で出産し、検査を受けられる場合は、検査費用は佐賀県で負担していますので、「無料」です(「ライソゾーム病検査は除く)。ただし、医療機関で行う採血等に係る費用は保護者の方の負担となります。上記のうち、追加3疾患を除く20疾患については、全国の自治体で実施している無料の検査になりますので、里帰り等で、佐賀県内で出産される方は、佐賀県の制度を利用いただけます。佐賀県民であっても、佐賀県外で出産、検査される場合は、検査自治体の制度にのっとって受検してください。追加3疾患の検査については佐賀県独自の取組ですので、里帰り等で差が県外で出産・検査される場合、自治体によっては有料もしくは検査を受検できない場合があります。
〇検査結果は、出産された医療機関から通知されます。検査の結果、異常やその疑いがある場合は、専門の小児科で精密検査を受けることになります。必要時は、出産された医療機関から連絡いたします。
〇検査は強制ではありませんが、新生児期に発症を防ぐと、正常な発育が期待できる疾患も多いので、みなさんに受けていただくことをお勧めしています。