コミュニケーション体験(ダイアログ・イン・ザ・ダーク 佐賀)レポート
コミュニケーションタイケン(ダイアログ・イン・ザ・ダーク サガ)
子育て情報
2016年12月7日
11月11日(金)、伊万里市市民図書館で「ダイアログ・イン・ザ・ダーク佐賀2016」が行われ、大坪小学校の子どもたちが参加しました。
ダイアログ・イン・ザ・ダークとは、完全に光を遮断した純度100%の暗闇の中に入り、"暗闇のエキスパート"である視覚障害者のアテンド(案内)のもと、暗闇でさまざまな体験をし、対話の大切さや五感の豊かさ、人の温かさを感じることができる「まっくらやみのエンターテイメント」です。佐賀県では、子どもたちをはじめ一般の方を対象とした体験プログラムを県内4会場(佐賀市、みやき町、伊万里市、唐津市)で開催。今回は、伊万里市立大坪小学校5年3組の体験に密着させてもらいました。
まずは、A~Dの4チームに分かれた子どもたちが、これからどんな体験をするか説明を受けます。ドキドキとワクワクが入り混じるなか、子どもたちは真剣に話を聞いています。「純度100%ってどんな暗闇だと思う?」という問いには、「生まれてくる前のお母さんのお腹の中!」などと元気よく答えていました。
次に、暗闇の中で子どもたちを案内してくれる視覚障害者のアテンドの皆さんを紹介。チームに一人ずつアテンドの方が付いて子どもたちをサポートしてくれます。
今回は暗闇のなかでジェンカというフォークダンスを踊るので、チームごとに一列になって「前、後ろ、前、前、前」と踊りの練習です。明るい部屋では、みんな上手にできているけど、暗闇のなかでもうまくできるかな?
さあ、いよいよ暗闇の中に入っていきます。子どもたちは、足もとに障害物がないか確認するために一人ずつ白杖(はくじょう)を持ち、前の人の肩に手をかけて一列になって暗闇の中を進んでいきます。
部屋に入った瞬間、生まれて初めての"純度100%"の暗闇に子どもたちの歓声が飛び交います。目を閉じても、開けていても目の前には全く同じ暗闇しかありません。一人だと不安でいっぱいになりそうですが、周りから聞こえる友達の声や、前の人の肩に触れている感覚、後ろの人から肩を触られている手の温もりが安心感につながります。
暗闇に入る前、暗闇を楽しむポイントとしてアテンドの皆さんと約束したのが「声を出し合うこと」。声を出さないとどこに誰がいるか分からないし、何をしているか分からないからで、子どもたちはいつも以上に声を出し、耳をすませて、周りの音や声を聞き分けていました。
暗闇体験の後は、アテンドの皆さんとの対話です。それぞれに感じたことを話して、目が見えない生活について「食事はどうしているの?」「買い物は?」など子どもたちの質問にも答えてくださいました。
子どもたちは、今回の体験で感じたことをカードに書いてくれました。
「白杖や友達が大事だった」
「こわかったけど、みんなといると安心して進むことができた」
「なれてくると暗闇のなかは楽しい気分になったけど、光の所に出たら安心した気分になった」
「視覚障害者の人はこんな感覚なんだと分かった。これからはたくさん助けていきたい」
子どもたちの感想はさまざまですが、やはり一番はみんなで声をだしあい、協力することの大切さに気付いたこと。そして、障害を持つ人は助けてあげる存在だと思っていたのに、状況が変われば自分たちが障害者の人たちに助けてもらう立場になるんだということにも気付かされたはずです。
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