SEMINAR report SAGA末来デザインセミナー

SEMINAR report SAGA末来デザインセミナー

―自分の経験が新たな自分をつくる。―

  • 令和4年3月2日(木)に伊万里高校でライフデザインセミナーを開催しました。
    今回のセミナーに参加されたのは、1年生の約150名です。

    セミナーでは、ライフデザインに関する講義や、仕事や結婚、子育て等さまざまな経験をされているゲストに体験談を話してもらい、参加者自らがライフデザインについて考える機会としていただきました。

    ゲスト:石黒みさとさん
    大学卒業後、美容関係の企業に勤める。大学時代の留学をきっかけに学んだことから、2017年、伊万里市木須町に「Guest House Ne doco?」をオープン。

  • 本日の先輩ゲスト
    Guest House Ne doco? 石黒 みさとさん

ライフデザインデータについて

ライフデザインに関する講義では、「仕事」「結婚」などに関して、統計データをもとに佐賀県の傾向について解説がありました。参加した学生からは、「佐賀と都市部の生活のかたちのちがいからライフデザインを考えることは、今まで考えたことがなかった視点で新しかった」「佐賀と東京、それぞれの良いところを数値で見る事ができて良かった」などの声がありました。

人生はロールプレイングゲーム

ゲストトークでは、ゲストのキャリアやその選択をした背景や想いをお話しいただきました。参加した学生からは、「人生は選択の連続なんだなと改めて気づかされた」「いつもは聞けない今の職業に至るまでの過程が聞けて、新しかった」「目の前にある事だけで将来を考えずに、自分からいろいろな事を体験し自分の将来の可能性を広げていくことも視野に入れることが大切ということを学んだ」などの感想がありました。

  • 東さん:進学したり、結婚したり、子育てをしたり、家を建てたり…、色んな大人のひとたちがそれぞれ色んな選択をして人生を過ごしていきます。今日は一つのモデルとして、伊万里で働く先輩ゲストをお迎えして、どんなライフデザイン、選択をしてきたのかお話をお聞きしながら、皆さんの今後の人生について考えていただく時間にできたらなと思っています。

    石黒さん:伊万里市の木須町で宿泊施設を運営しています。そこに併設するかたちで、玄米おむすび専門店「こめこっこ」の運営も行っています。

  • 高校生の時は、どんなライフデザインを考えていましたか?

    石黒さん:高校生のときは、ウェディングプランナーになりたいと思っていました。進学校に通っていたので、ウェディングプランナーになるための専門学校に行きたい気持ちがありながら、言い出せない悩みがあったりもしました。
    興味を持ったきっかけは、小学生のときに見たドラマですね。人の幸せの瞬間に立ち会える仕事に憧れがあったことと、自分で考えて企画したり、結婚されるご夫婦と一緒に作り上げていくことが楽しそうだなと思っていました。

    その後の進路選択はどうされたのですか?

    まだ、そこで決めてしまわずに、大学の4年間で視野を広げてみてもいいのかなと思ったので、大学進学を選択しました。

    東さん:まだ考えられる、選択肢が山のようにある、ということですよね。

    石黒さん:海外への憧れもあって、「世界を見てみたい」気持ちがあったので、学部は国際系、短期のホームステイができるところを調べたりしていました。最後まで悩みましたが、「経営法」を学ぶ学部に進みました。「海外研修」に行けるゼミがあったので、そこに入りたいと思って選択しました。

    1年目アメリカのシアトル、2年目はニュージーランドに、授業の一環としていくことができました。

    東さん:ゼミで学校や学部を選ばれたんですね。選択の仕方が、いろいろありますね。

海外へ行ったことで気持ちに変化は、ありましたか?

石黒さん:短期の留学をしたことで、やっぱり長期で海外に行ってみたい気持ちが芽生えました。思い立ったら行動したいと思う性格なので、3年生のときに休学して、ワーキングホリデーでオーストラリアに行きました。半年ほどアルバイトでお金をためて、残りの半年で海外へ行きました。

留学を経験したことで、価値観も大きく変わるきっかけになったと思います。海外の語学学校に通ったのですが、いろいろな国の方との交流の中で「失敗をおそれずに動く」姿をみて、自分の心の中にあったアクティブさをさらけ出していいんだと思えるようになりました。

海外での経験は、今のお仕事にどう繋がりましたか?

石黒さん:色んな国の人との交流がすごく楽しくて、それを活かせる場所が日本にはあまりないな…と思ったんです。
大学時代に一人旅をすることがあって、ゲストハウスに行くと色んな人との交流が楽しめて、日本人だけでなく、いろんな国の人もいたりして、「いつかこういう場所をつくりたい」と漠然と思うようになりました。

東さん:自分がお客さんとして経験したことがいまの生活に繋がっているんですね。いろんな地域にいってみたり、サービスを受けたりしてみて、実際に見てみたり、触れてみることってすごく大切なことですね。

大学卒業後、いまのお仕事につくまでは、どんなことを経験してきたのでしょうか?

石黒さん:今のNe doco?をオープンしたのは、2017年なのですが、実はそれまでに2回就職を経験しています。
就職氷河期でしたが内定をいただくことができ、専門学校の広報のお仕事についたのですが、3か月で辞めてしまいました。会社の仕組みや人間関係の部分で違和感があり、合わないなと思ったら、早めに切り替えてもいいのかなと思ったんです。

2社目は、バスボムやコスメの会社に勤めました。大学4年生の時にアルバイトをしていた会社で、すごく楽しくて、会社の理念も面白く、学びも多くて、そこで接客の仕事も楽しさも感じることができました。

東さん:大学で勉強したことだけが職業を選ぶことに繋がっていくのではなく、アルバイトしてみた経験から会社を選んでみたり、皆さんの色んな経験のなかに、将来やっていきたいことが隠れているのかもしれませんね。

石黒さん:2社目にいたときは店長も経験し、自分の中での目標を達成できたんですよね。その時に、次のステージに進んでみてもいいのかな、次は何をしようかなと考えたときに、いつかゲストハウスをしてみたいなと思っていたことを思い出しました。20代のうちにもっと色んなことにチャレンジしてみたいと思っていたので、すぐに実現に向けて動き始めました。

場所にこだわりはなかったのですが、「とにかく今からやってみたい」気持ちが前にあったので、「できるところから」始めてみました。今の伊万里にあるゲストハウスは、わたしの祖父母のお家で空き家になっていたんです。自分のすきなことを表現できる場所が欲しかったこと、1年以内にオープンさせたいという目標を達成できる場所だと思ったので、この場所に決めました。

  • お仕事はどうやって選ばれたのでしょうか?

    石黒さん:はじめはドキドキしましたが、やっていくうちに空間に愛着が湧いてきて、ゲストハウスだけでなく、セレクトショップとして改装したお店も出してみたり、自分の中で「食」にも興味が出てきたことからおむすび屋さんも出すことにしました。

    「ライフ」の部分は、どんな風に考えていたのでしょうか?

    石黒さん:高校生の時は、24歳くらいでなんとなく結婚してみたいなと漠然と思ったりしていましたが、実際は、あっという間にその歳を迎えていました。27、28歳のときに周りが結婚し出したことをきっかけに、婚活を始めてみたりもしました。それはそれで楽しかったのですが、ゲストハウスを始めるタイミングでお休みすることにしました。

    伊万里に戻りゲストハウスの準備をしている中で今の旦那さんと出会い、オープンとほぼ同じタイミングで結婚しました。旦那さんも同じお仕事で、それぞれでゲストハウスを運営していたこともあり、結婚当初は一緒には住んでいなかったのですが、振り返ると、それはそれで二人の性格にあった過ごし方だったと思います。今はコロナをきっかけに一緒に生活をしています。

    人生経験として子育てをしてみたい気持ちがあったので、3歳と5歳の子どもたちを1年半ほど養育里親として育てる経験もしました。子育ての大変さ、親への尊敬の気持ちを痛感し、学ばせてもらいました。

  • いろんなお話を伺いましたが、改めて大切にしていることなどをお聞きしたいです。

    石黒さん:自分の軸となるところで「自分の経験が自分をつくる」というテーマがあって、自分の経験を次のライフスタイルに活かしたいという気持ちは大切にしています。今までのお仕事からは「だれかに喜んでほしい」という気持ちが共通しているので、ポイントになるのかなと思っています。

    石黒さん:自分の人生をゲーム感覚で捉えているところがあるので、常に目標を掲げてクリアしていくことに楽しみを感じる性格なんだなと思っています。今も次の目標や、達成するためにはどうすべきなのか常に考えながら生活していますね。

    東さん:人生の選択をしてきたときに「キーワード」を大切にしながら進まれてきたんだなと思いながら、お聞きしてきました。皆さんも、これからどうしていこうと考えるときに「だれかに喜んでほしい」など、自分が大切に思っていることを軸にして、なにをしていくかを選んだりしてみても良いかもしれませんね。

    石黒さん:友人のなかでも私はイレギュラーな生き方をしてきたと思うのですが、ライフスタイルも人によって様々なので、自分の興味のあることや、好きなことには、チャレンジしてみてほしいなと思います。これからも頑張ってくださいね。

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